五月一朗先生
2010年5月5日
「五月一朗の会」ご来場ありがとうございました。
久しぶりに舞台袖でじっくり聴かせていただいた先生十八番の「太閤記」。
今まで何度も聴いていたはずなのに、
初めて気付いた部分がたくさんあったのには我ながら驚きました。
それにしてもナント完璧な間合いと抑揚でしょう。
さらに歌絵師匠の三味線が先生のセリフ一言一句にピタリと寄り添い
先生の気合を押し上げている様は袖で見ていて鳥肌が立ちました。
声の息やパワーはさすがに全盛期からみればちょっとダウンしているものの
その存在感と安定感、そして何より練り上げられた完成度には
修羅場をくぐり続けた自信と楽しさに満ち溢れておりました。
出たとこ勝負で毎回不安定、
余裕も自信も無い私などとは芸の力量や年季が全く違う。
改めて己の未熟さに愕然とした一日でありました。
五月先生の浪曲を皆さんに聞いていただきたい・・と企画した今回の会ですが、
先生の浪曲を聴かせていただいて一番良かったのは
私自身だったような気がいたしております。
五月一朗先生と加藤歌絵師匠。
まさしく世界一のコンビです。
2010年5月5日