国本武春 ベンベン旅日記(1) 温泉好きな日本人

本日の国本、うなる代わりに旅日記とまいりましょう あがった あがった 〜2001.1

 温泉好きな日本人。 湯船につかりゃあ誰だってひとっ節うなりたくなる。 演歌もよし、ポップスもよし。  

  しかし「風呂に入ってうなりたくなる」とくればなんと言っても浪曲であろう。 そりゃあ全盛期から比べれば全くと言って良いほど いまや下火になってしまった浪曲だが、場所がお風呂となれば話は別 。 お年寄りの十人中三人は浪曲をうなる。別にだからと言うわけではないが 温泉好きなこの私、自然に浪曲好きのお年寄りによく出会う。

 しかしそのお年寄り達のうなる浪曲も、 さすがにブームから四十年以上も過ぎているためかだいぶ怪しくなってきている。 つい先日も、好きなバイクで東北の温泉へ・・ 雄大な岩手富士を正面に見る最高の露天風呂に到着。 ウキウキしながら入っていくと、 すでにそこには頭の上にタオルをのせた七十歳前後のお年よりがひとり。 「う~ん、これはちょっと嫌な予感がする・・」 こういうときの私の予感はよく当たる。と想った瞬間 、 旅行けば~ 「そ~ら来た。やっぱりだ。見事予感的中!」 心の中でつぶやくと、また   旅行けば~「それにしてもヒドイ声だ。虎造節をうなるんだったら、 もっと鼻に声を抜かなきゃいけない。」

  旅行けば~ 「おい、 旅行けば~は判ったからいい加減その先へいってくれよ。」 口の中でブツブツつぶやいていたら、そのお年寄り、突然こっちを振り向いて、 「いや~、浪花節はいいね~。おたくらみて~な若い人は知らね~だろうけど、昔はずいぶん流行ったもんな~・・」 「はあ~、そうですか・」 作り笑顔で答える私、これじゃまるで『花街の母』だ。するとまた、   旅行けば~ 「あの~、その次は  駿河の国に茶の香り~ですよ!」 辛抱たまらず教えてやろうとしたトタン   丁度時間となりました~ おじいさん、タオルをしぼって上がっていってしまった。  〜♫ベンベン 


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