津軽三味線全国大会 B級出場

津軽三味線大会でディープパールを弾く

 毎年、ゴールデンウィークに、弘前で津軽三味線の全国大会が開かれる。

 キャリアによってA級、B級、C級の三段階に分けられ、日ごろから練習を積み重ねた技を競う大会だ。
 しかし、エントリーする階級は、自分で希望を出すようになっているので、私も、「どうせ津軽まで大会を見に行くんなら、自分でもチョツと練習して、シャレで出場してみようかなァ」 と、思い切ってエントリーすることにした。
 でも、普通の演奏をしたのでは、キャリア豊富な連中に太刀打ちできるハズはない。
 しかも、出濱者のほとんどが、「津軽じょんがら節」という、どうやったらあんなふうに指が動くのか、と思うような難しい曲。「こりゃあテクニックじゃダメだ。よ-し、ハートで行こう。津軽魂に対抗するには何といってもロック魂だ!」
 何だか訳の分からない理由をつけ、津軽三味線にロックンロールを取り入れる研究を続けた。

 そして大余当日。A級に出るほどうぬぼれちゃいないが、C級でよいというほど、へタクリでもないだろうとB級でエントリー。
 いよいよ自分の出番。
 名前を呼ばれ、舞台の真ん中にあるイスに腰を掛け、おもむろに胸のポケットからサングラスを取り出す。
「イエーツ!」
 という奇声とともに演奏を開始した。曲の途中、ディープバープルのフレーズで客席から歓声が起こり、演奏が終わった途端、大きな拍手。
「ヤッター、大成功だ!」
 ワクワクしながら、審査の発表を待っていたら、審査委員長が開口一番。「B級の国本さん」 
「オー、やった-、最初に呼ばれたよ」と心の中で叫んだ瞬間、
「彼の演奏は邪道です」

 何はともあれ、かくして三味線ロックは完成した。

 審査終了後、地元FM局のインタビューに優勝した木下伸市さんとふたりで呼ばれた・・・
 その後、津軽三味線全国大会は毎年、小国本が出るらしい?!


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