忠臣蔵 新趣向「ミラクル忠臣蔵」

2002.12.12 読売新聞夕刊 

 国本武春 + 劇団「ラッパ屋」ジャンルの垣根越え コントや浪曲ミュージカル

  浪曲師の国本武春が、二十七日から≡十日まで、東京・新宿のシアター・トップスで「ミラクル忠臣蔵」を上演する。「討ち入三百年」の年末に、小劇場劇団「ラッパ屋」の福本伸一らと繰り広げる忠臣蔵づくしのライブだ。

 国本は四十二歳。浪曲師として活催する一方、ギター代わりに三昧練を演奏する〃三味線ロック〃や、俳優としての舞台出演など、幅広く活動している。今年は、主演した宮本亜門演出のミュージカル「太平洋序曲」が、米ニューヨークやワシントンでも上演された。
「日本人は、演じる側も見る側も、ジャンルの垣根を作ってしまうところがある。もっと単純に、面白いものを素直に受け入れる、米国的な感覚があってもいいんじゃないか」と、米国公演の感想を話す。今回の企画も、そういう考えの下で発想された。
 「『ラッパ屋』の皆さんとは六年前、ミュージカル『狸』に出演した時に仲良くなり、それ以来、一緒に何か出来ないかと話していたんです」と言う。
 「その結果、『忠臣蔵三百年』を題材にした今回の話がまとまった。福本さんを始め、木村靖司さん、竹内晶子さんと、出演者は芸達者ぞろい。持ち味を生かして何が出来るのかを、皆で考えているところ。、『忠臣蔵』という幹がしっかりしているから、多少遊んでも軸がぶれないはずです」
 刃傷松の廊下から討ち入りまで、「忠臣蔵」の筋を通す形にして、細かいエピソードの部分でコント風の芝居や浪曲のさわりの部分などを組み合わせる。
 「昔よくあった“浪曲ミュージカル”の節劇を取り入れる場面もあります。演芸だけでなく演劇、音楽など様々な分野の人たちと交流すると、視野が広がり、自分の芸を客観的に見られる。これからもこういう挑戦を続けていきたい」


 挑戦は舞台の上だけではない。来年秋から一年間、米国のイースト・テネシー州立大への留学が決まったのだ「元々学生時代からブルーグラスが好きだったんですが、向こうにも、音楽に乗せて物語を語る芸があると聞き、その技術を身につけたら、世界に自分の芸をアピール出来るのではと思った」と語る。
  「年齢的にも、今行かないとダメ。『太平洋序曲』が好評だったことが自信になって、背中を押してくれたところもありますね」。
 両親も浪曲師で、芸の基本は浪曲。だが、それは「五十歳、六十歳になって初めて、しみじみ身につく芸だ」と思っている。
 「その時が来るまで、芸人として納まってしまうのは簡単。でも僕は、なるべくなら、じたばたと、いろんなことをしていたい。海外で評価された浪曲師が、日本に“逆輸入”される姿を想像したら、楽しいじゃないですか」。
 
 「世界を視野に入れた活動がしたい」と語る国本武春


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