べんべん旅日記  (17) ♪プリンスよりアイドル ABCミュージカル「狸」

本日の国本、うなる代わりに旅日記とまいりましょう あがった あがった  〜2002.01

 ちょいと出ました私(わたくし)は浪曲界のプリンスで国本武春時間まで~
 
 私がいつもライブなどでうなる外題付け、いわばテーマソングである。浪曲界のプリンスと言われ(それほど言われてないが…)かれこれ二十年。そんなプリンスの私が、ミュージカルでアイドルと共演したことがある。
 光ゲンジの赤坂晃君。当時、人気絶頂。アイドルの中のアイドルだ。稽古場、劇場、宿泊先のホテル。どこへ行っても赤坂君の追っかけでいっぱい。
「うわ~、本物の芸能人て凄いんだな~」などとすっかり感心してしまう自分が情けない。

 そんな赤坂君と共演したのが、大阪、近鉄劇場でのミュージカル「狸」。
主役は赤坂君とミュージカルの女王、木の実ナナさん。この二人が姉弟という設定、そしてこの私が芝居全体のご案内役、いわゆる狂言回しでその名も「狸太夫」。
 お話の節目節目に出てきて、物語の解説をしたりお客さんとやり取りをして客席を盛り上げたりと結構重要な役回りだ。もちろんご案内役だけに芝居のオープニングも私が担当する。開演ブザーが鳴り、真っ暗な中ドラムソロが響き渡る。

 そしてそのドラムのキメ音と同時に私がスポットライトを浴び三味線を弾き出す。
なかなかおいしい役回り…のはずなのだが、何と言っても客席のほとんどが赤坂君の熱狂的なファン。いつ赤坂君が出てくるかとワクワクを通り越して、もう今にも食いつきそうな気配で待っている。
 そんなところに三味線かかえて間抜けなかっこうした私が突然出てきたもんだから、開場のあちらこちらから一斉に、
「え~っ!」
「な~んだ!」
「誰?この人?」
いくらなんでも浪曲界のプリンスをつかまえて「誰?この人?」はヒドイ……。
やっぱり世の中、プリンスよりアイドルなのかな~。  〜♫ベンベン

サイド:96年11月大阪近鉄劇場にて
ミュージカル「狸」の公演開始。

28日間 34公演の音楽制作と出演演奏の大役をこなす。

CAST & STAFF

月 夜 木の実ナナ
星 影 赤坂  晃
狸太夫 国本 武春
 帝  尾藤イサオ
少納言  上条 恒彦

総指揮 藤井 桑正
プロデューサー
 池田 道彦
 山内 久司

脚本・作詞・演出
 鈴木  聡
音楽監督/音楽
 井上 大輔
 国本 武春

振 付 前田 清実

演 奏 中村 信吾

制 作
松竹芸能株式会社


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